日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター感想・天使のほほえみ

シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところがあるかもしれません……。

 

エピソード14・天使のほほえみ(第68〜73話・JC8/9巻)

名門家の娘・由貴は、バイト先で客たちの天使に。だが彼女の父は獠に護衛を依頼して!?(シティーハンタージャンプより引用)

 

この回はお気に入りです。

なんといってもヒロイン・皆川由貴がいい。北条先生の絵もすごく可愛いし、天然純粋培養お嬢様というのがギャグにもシリアスにもなれていいです。というか、こんな子がバイトに来たら店長だって毎日癒されると思うよ。一ヶ月だけでなくずっといてくれと思うこと間違いなしです。

バイト先のハンバーガーショップ暴力団の抗争に巻き込まれて、店がぼろぼろになり、由貴も獠に助けられて、父親にバイトを辞めろと言われるんですが、その時のセリフがいい。

 

「どんな仕事でもいやな面はあります

    こんなことで仕事をやめるようでは   どんな        仕事をしても不満が湧いて   長つづきしないと思います!!」

 

これをシリアスに言ってギャグになるキャラクターというのが好みなんです(あとで出てくる美樹ちゃんにもそういうところがありますね)。

 

由貴の父親もいいです。冴子の父親とキャラはかぶってるんですが、依頼主から最後のオチまで活躍するし、「娘を溺愛する父親」というキャラも立っています。

話は由貴の初恋がテーマになっていますが、それで「愛ってなんだろう」と読者にもちょっと思わせるところがにくいですね。由貴が獠への気持ちを「両親よりももう少し大きな好き」だといいながら、最後にプレゼントする相手が父親だとか、香ちゃんがヤキモチ焼きながら由貴の獠への気持ちを指摘したりとか。

異性への気持ちが両親への気持ちより「もう少し大きい」というのは、なんか香ちゃんの獠への接し方でも表現されていると思います。由貴に恋愛をコーチするのが獠が最適とか考えるところはまさに母親。でも獠が由貴ちゃんにヤキモチ焼かせるために他の女性といちゃついて香ちゃんが真っ先にヤキモチ焼くところは女性らしいです。というか、この回のふたりのやり取りはテンポも良く明るくて楽しかったな。「由貴さんに大事な男っていわれて舞いあがりやがって!!」と言ったあとの香ちゃんの表情と獠の表情は、どちらも微妙な感情が出ていていいです。

余談ですが暴力団の抗争とかほんと時代を感じるネタだと思いました。暴力団の力が弱くなった今では考えられません。でも楽しく読めるのがシティーハンターが時代を超えたヒーロー漫画ということなんだと思います。