日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター感想・海坊主からの依頼

シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところがあるかもしれません……。

 

海坊主からの依頼(第111話〜第116話・JC第13巻)

海坊主が密かに支え続けてきた天才ヴァイオリニストの真希が、何者かに命を狙われ……(シティーハンタージャンプより引用)。

 

お久しぶりです。

ちょっとブログを書くモチベーションが落ちていたのですが、復活しました。

読んでくださる方、ありがとうございます。

 

さて、この話は海坊主のキャラを立てまくった回です。ゲストヒロインの真希はやや影が薄め。

海坊主が美女に弱い(獠もですが……)・トラップの名手・元傭兵・本名・猫嫌いという設定だけでなく、北条先生の得意な「馬鹿がつくほど真面目な人間が真面目過ぎてギャグになる」という展開も多数用意してあります。

特に獠のアパートに掛けたトラップのくだり(とそのオチ)と、海坊主が変装して獠と真希のデートを追うくだりは出色です。

トラップのくだりは小学生男子だったら大笑いしたでしょうし、変装も楽しい。コメディからシリアスに移行する、その振り幅も素晴らしいです。

最後も北条先生の得意な感動的な展開で、まさに職人技の回。

というか、何度も思いますけど、20代後半に描かれたんですよね、この漫画。毎回のエピソードの完成度の高さに驚かされます。

ただ、この後が「香ちゃん狙撃さる!!」ということを考えると、連載3年目に入り、パターンを脱したいというのがあったのかもしれません。

 

何気に獠の過去にもちらりと触れてあるのがこの回のポイントです。

海坊主の設定が日本人の傭兵とのことですが、傭兵といえば中世ヨーロッパのイメージが強いですね。後々、海坊主の参加していた戦争は南米の内戦ということがわかるのですが、ちょっと調べてみたところフランスに外人部隊というのがあるので、モデルはそういったところだったりして……。あとはアフリカ諸国の独立に伴う外人部隊というのが多かったようです。

 

香ちゃんは今回は完全にアシスタントのような形ですが、おかげて海坊主のキャラが立ったと同時に、「香ちゃんは海坊主を信頼している」ということが成立したので、何気に重要な回だと思います。

それにしてもラストシーン、登場人物の全てが良すぎる……! 獠の気遣いがかっこいい! 現実には、こうして気遣いしても気がつかれない場合が非常に多いのでしょうから、真希ちゃんが海坊主にばらしたのもいい展開ですね。