日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター感想・悪党にはなにもやるな!

シティーハンター原作版の感想です。多少辛口のところもあるかもしれません。

 

エピソード5・悪党にはなにもやるな!(14〜18話、JC2・3巻)

ヤクザの娘・さやかの護衛を引き受けるはめになった獠は、家庭教師として娘に接近し…。

シティーハンタージャンプより引用)

 

面白い小ネタがいくつもある回です。香ちゃんの足の間から射撃したり、ヤクザからネコババした一億円を一週間で獠が使ったり。

けれどもこの回でシリーズの定番となったネタも多く登場しています。

ヤクザや暴走族がコメディリリーフとして描かれている、依頼は美女のボディーガード、ボディーガードされた美女は獠に惚れる、と言った点です。

読み直して何が驚いたって、ヒロインのさやかが獠にとって香は「弱点」「恋人」と言っていること。

こんな序盤からラブコメ要素が入ってたんだ!と思いました。序盤でこれなら、終盤の展開が獠と香の関係の決着になるのは必然かな。

バディものだとバディの関係性が特別なものになるのはある意味お約束で、そういうわけで獠と香に特にそんな描写もないのに恋人扱いになるのもお約束であれば、読者がなんの違和感も持たないのもまたお約束な感じです。

これがガチの恋愛ものだったら、「きっかけ」とか「段階」とかが心理描写も交えてクローズアップされるとは思うのですが……。

ただ、シティーハンターはヒーロー物であるので、そこがあんまり描かれないのが逆に読者に想像の余地を残していていいと思います。

ヒロインのさやかはスケバンの頭でじゃじゃ馬と呼ばれていますが、途中「父親に構って欲しい」というくだりがあります(もちろんギャグのオチがついている)。これは本当なんじゃないのかと思うのは、獠も含めた父親から派遣された家庭教師を無視ではなく追い払ったりする点。構って欲しくなければ、邪険にしないのでは。

獠を好きになるのも、きっと父親とか兄を慕う感じなんだろうな。きっかけとしては獠の腕っ節の強さと助けてもらったことなんだろうし。

それにしても、事件解決のためにさらわれるよう仕向けたって分かったら、怒らないのかな(シティーハンターはヒーロー物だからそういうことはないのかな……)。

しかし香ちゃんの出番が少ないのは寂しいですね。この話の始めの方で、竜神会の会長にポンポン言い返す香ちゃんは実に魅力的です。獠も何も言えないのが更に良かった。なんというか、子供扱いというか、初心者扱いというか、じゃじゃ馬娘扱いしてる感じですよね。