シティーハンターにはまる・2
劇場版シティーハンター・新宿プライベートアイズに感激した私は、本棚のジャンプコミックスを手に取った。
このジャンプコミックスは、幾度となく行った断捨離を乗り越えた思い入れが深いもので、特に27巻以降はシティーハンター熱が冷めた後も読み返したものだった。
まずは読み返しやすいところから、と思い27巻を取った。
読んでみて、驚いたのはその画力の高さだ。
画力の高さからファンになったシティーハンターだったが、それにしても半端がなさすぎる。
シリアス場面の美しさはもちろん、コミカル部分も可愛く描き込まれており、その幅広さに脱帽した。
シリアス場面のトーンワークなど、週刊連載だったのが信じられないほどだ。
その画力の高さがこの作品の虚構の深度を支えている。
というのも、シティーハンターの世界観はものすごく幅広く、獠がハンマーで殴られても平気といった場面が入ったかと思えば、道行く暴漢に依頼人が刺されそうになりパイソンで刃を落とすという場面が入るのだ。
コミカルとシリアスが交互に入っていても、なんの違和感もなく読み進められる。
それは、画力の高さがあるからに他ならない。
コメディ、ギャグ、ハードボイルド、恋愛が全て入ってなんの違和感もないなんて、なんて素晴らしいエンターテイメントだろう!
リアタイ時はシリアス話が好きで、一番好きな話は「都会のシンデレラ」だったが、何十年も経て読み返すと、獠と香の関係はもちろんだが、前半から中盤のギャグに救われるものは多くあった。
とにかく明るく元気で楽しい。
依頼人はみんな溌剌としておりそして仕事熱心だ。まるであの時代のように。
その前を冴羽獠と槇村香が通り過ぎていく。
賑やかに、格好よく。
コミックスを読み返して、何度もお腹を抱えて笑った(ほんとです)。
そして終盤の獠と香のなかなか進まない関係に心をときめかせた。
ジャンプコミックスを全部読み終わった時、私はすっかりシティーハンターにはまっており、テレビアニメシリーズを全部見返そうと心に決めていた。