日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター感想・出逢って恋して占って

シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところがあるかもしれません……。

 

エピソード20・出逢って恋して占って(第105〜110話/JC12〜13巻)

美少女モデルとして売り出し中の明美が、獠のことを運命の相手だと言い出して急接近!!(シティーハンタージャンプより引用)

 

芸能界ネタはこれで三度目かな? ヒロイン明美は15歳なんだけど、よく読むとすごく獠に対してしたたかで、でもそれは自分の夢のためなので嫌な感じはしませんね。カメラマンになりたいという夢を叶えるために引退するにはどうすればいいか、というので獠を使ったり、その使うために占いを使ったり……。その明美が最後、「自分の人生や運命は思いどおりにならないけど 思いどおりにするよう努力するのが人生だと!!」と宣言します。とするとこの話は、自分の人生の目標を達成するために他人を使ったりあてにしていた少女が自立する、という成長物語にも読めますね。ギャグの中にこういった成長物語要素をさらりと入れてくるのはさすがです。

明美の年齢が15歳なのは、ファンに合わせたのかな? 実際は15歳の女の子が獠を見ると「おじさん!」となるとは思いますが、そういう描写が皆無だったのは、ファンの年齢の反応に合わせてでしょうか。

この話も獠のギャグ、明美の成長物語、怪人Xの正体という推理パート、そして獠のマッチョイズムではない男らしさの描写など、何層も物語が重なっていて、ものすごくボリュームがあるのにテンポよく話が進むからそれに気がつかないんですよね。この半分の要素だけでも十分な物語になると思います。贅沢な話だなあ。それで香ちゃんの活躍まで手が回りませんでしたが、ファンのツボである「獠は香の誕生日を暗記している」があったので、満足です。

銀狐を追い詰める場面はすごい迫力でした。この前の回で銀狐の非道を散々描いて、嫌な奴を印象付けたのも大きいですが、獠にカメラを持たせて「ガタガタ言わずに笑え!」とか、かっこいいな〜。