日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター感想・看護師には手を出すな!

シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところもあるかもしれません……。

 

エピソード17・看護師には手を出すな!(第86〜91話.JC10・11巻)

巨額の遺産相続人となり命を狙われるドジっ子看護師を守るべく、獠は病院に入院し……(シティーハンタージャンプより引用)。

 

序盤からすごいセクハラギャグが飛ばされていて、読み返して唖然としました。いやぁおおらかな時代だったんですね。そしてまたも「日本一の実業家」の登場です。普通の女の子が遺産相続人に指定されるとか……70年代から80年代にはこういうネタが非常に多かったんですけど、まだそういう話に夢があったのかもしれませんね。

ヒロインの岩井善美ちゃんは、ものすごくドジですが、いいなと思うのは獠に「たとえ誰かがあなたを襲ってきても わたしが絶対に守りますから!!」と言うところ。北条ヒロインの強さが出ていますね。善美ちゃんが獠に惹かれていくのもなかなか説得力があります。今までみんな敬遠するほど看護の技量がないのに、最後まで励まして看護を受けてくれたとかなると、それは惹かれない訳はないなぁ。

読んでみると派手なギャグ(善美ちゃんのドジと獠の下ネタ)と、ヒューマンドラマの話が上手く組み合わさっていて、通常のパターン回では後味の良いものになっていると思います。そうなると香ちゃんはずーっとサポートメンバーに回り、獠との絡みが少なくなりますが、なかなかどうして、看護師に変装して病院に入り込むとかのコスプレもあったりして、頑張っています。

でも一番いいのがラスト!依頼人の高塚さんが出てきますが、わたしこの人好きなんです。余命幾ばくもないのにものすごく元気だったり、しかも「元気な頃ならジャーマンスープレックスが決まっている」とか面白すぎる!この人が善美ちゃんに遺産を相続させようとした理由もよかったんですが(その時の最高のやさしさをもって接してくれた)、「そんな人生を後悔しているわけではない」と素直でないところもいいです。そしてこの場面で、善美ちゃんのキャラクターが掘り下げられるのもいいですね。「病気の人を支えられる看護師になりたい」「それは病気の兄と、それを支えてくれた看護師がいたからだ」「だからお金はいらない」とか、三段構えで語られる場面は、なかなか感動的です。北条先生のヒューマンドラマが炸裂している感じです。