日暮日記

日々思う事を書いていきます。

シティーハンター 感想・ある夜のマチガイ

シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところもあるかもしれません……。

 

エピソード18・ある夜のマチガイ(第92〜98話・JC11巻)

かつて槇村が追っていた人身売買組織壊滅のため、冴子は獠&香と共に敵のアジトへ!(シティーハンタージャンプより引用)

 

槇村が事件に関わってくる初めての回です。そして獠の香への本心が垣間見える回です。

結構ハードな設定なのに、ボスのキャラ付けといい展開といい、かなりギャグなんですよねー。それがシティーハンターのいい所であり、特徴でもあると思います。ボスのやってることなんてかなりの犯罪なのに、憎めないどころか笑えるのは何故?

香の銃が槇村の形見で、冴子が香と槇村を重なるところは名シーンですね。

しかしこの回の見どころはなんといっても、香が攫われたと知って獠が取り乱すシーンでしょう! 読んでいるこっちもおおっと思いますよー。ただ、この回の獠は対組織になるとものすごくチートなんですけど、冴子に騙されたり、変装した香に気がつかなかったりと人間関係的にはちょっと抜けてますね。それが故意なのか過失なのか、考えるだけでも楽しいです。

あと、冴子が槇村への気持ちを告白するラストシーンもいいですね。これを読むと冴子が槇村と獠を振り回していると思うし、ずーっとそう思ってきましたが、のちのちのノベライズとかエンジェルハートの展開はなんだったんだろう……。やっぱり冴子は、「強いけど、男へ好意を持つがそれが認められないことで価値を認められる」女性からは自由であってほしいと思うのです。強い女性って、世間からもある種の男性からもなかなか認められない(そのままでいいといってもらえない)と私は思っているので、冴子はそこから自由であって欲しかったと思うのです。

香はいいんですよ、弱いけど世間が求める女性としてチートだし、女性から見て男性から頻繁に貶められるという点で共感出来るから。でも冴子は女性性を逆手に取りつつ男性を振り回すっていうのが魅力的だったのでね……。

まあでも、冴子も獠も香も魅力的に描かれているし、ハードボイルドコメディとして質は高いと思います。