シティーハンター感想・ギャンブルクイーン!
シティーハンター原作版の感想です。少々辛口のところもあるかもしれません。
エピソード10・ギャンブルクイーン!(第44〜49話・JC5〜6巻)
トランプの目を読む力を持ち、悪党共に食い物にされている女ディーラーを、獠が救う!
牧野陽子回です。
特殊能力を持っているヒロイン初登場ですが、この回は香ちゃんが一度も出てきません。
そのせいか、ギャグをやっていても何となくシリアスな感じが漂っている感じがあります。
これも試行錯誤回だったのでしょうが、やはりコンビで出した方がいいという話になったのでしょう。
ヒロインの牧野陽子は、自由になるためにヤクザから抜けようとしますが、それは恋のためというのが面白いです。シティーハンターのヒロイン達は、恋で自由から遠くなることが多いと思っているのですが(獠に恋して振られることで自由を手に入れるのですが)、いま所属しているところから抜け出す為には、恋をするという大きなエネルギーが必要になるのでしょう。
それにしても陽子もまたチート能力の持ち主で、獠の物語のヒロインには、それくらいの能力でないも釣り合わないのでしょう。いかに獠がチート設定であるかわかります。
前回の冴子回といい、今回の陽子回といい、ヒロインの描写が多く、獠の出番を食っている感じさえあります。今回の陽子回の最後の恋の結末は、獠の見せ場を作る為にあったような感じさえあります。それにしても陽子に可哀想なオチでしたが……。
高円会(敵のヤクザ)が陽子と獠を引き離すために女性を使うところで、こんなくだりがあります。
(陽子)「だったら、女を 気にしなければ いいじゃない!」
(獠)「だめ……頭で わかってても 下半身が勝手に 動いちまうの ボク……」
ここで獠の恋愛が「本能に逆らえない行きずりの恋愛」だと明記されます。シティーハンターは結構序盤のさらっと描いてある設定も後々まで出てくるのですが(しかも割とこっそり)、この設定は話の根幹部分に関わってきます。獠を語る上で外せない設定なのでしょう。
ほかに、この回と冴子回はトランスジェンダーネタを使っていますが(獠の女装まである)、これをコメディのネタとして使っているのが興味深いです。男性にマッチョイズムが強く求められていたからこれがコメディのネタとして使えたんですかねぇ。